「身体にはほとんど影響を与えない薬です。」

これはある透析患者さんが、普通の調剤薬局で薬を買うときに、薬剤師さんから言われた言葉だそうです。
薬は作用と副作用があります。でも、副作用とはなんでしょう。どんな薬も副作用の記載があります。今回この患者さんが薬局で買わ れた薬は「〇〇AZ」ーアレルギーの薬です。主成分はアゼラスチン塩酸塩。ヒスタミンという物質を抑える働きがあります。商品には副作用として、

皮 ふ:発疹・発赤
消化器:吐き気・嘔吐、口内及び口周。囲のあれ、食欲不振、胸やけ、胃部不快感、腹痛
精神神経系:倦怠感、めまい、頭痛、手足のしびれ
循環器:動悸
呼吸器:息苦しさ
泌尿器:頻尿、排尿困難、血尿
肝 臓:全身のだるさ、皮ふや白目が黄色くなる
その他:顔面のほてり、鼻乾燥、浮腫、月経異常

と記載がありました。通常の医療でもよく使われる成分の薬です。
ヒスタミンという物質は、身体の中でいろいろな役割があって働いている物質です。しかしアレルギー状態の時は、過剰に発現してい るとして、薬で抑えようと考えるわけです。しかし、身体の中で普通に働いている物質を抑えるわけで、もともとの色々な作用の分まで抑えますから、色々な症状が出るわけです。薬はその作用を発揮しているだけで、目的とする作用以外の作用を、勝手に副作用と呼ぶだけです。どんな薬も期待した効果以外に、必ずなんらかの影響を身体に与えています。それが自覚できるほどの症状となってでるかどうかというだけです。「身体にほとんど影響を与えない薬」など、ないのです。
薬剤を使用する医師や薬剤師は、いつも薬に対するこの認識をもっていないといけないと思っているので、この言葉に引っかかりを覚えたわけです。副作用の話は患者さんに不安を与えることにもなりますから、薬以外に方法がない人にとっては、その副作用の説明が、かえって不安を与え、病気を悪化させることになりかねません。いつもその点を注意をしながら、患者さんに話をしないといけないのですが。
薬は必ず副作用がありますから、できるだけ薬を使わないで済む方法を患者さんにも知って欲しいと思っています。患者さん自身の努力も必要になりますが。

 

健康相談・医療相談担当
医師 平田 修


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